7月

七夕

7月7日の七夕は、天の川をへだてたひこ星とおり姫とが年に一度出会うという星祭りの日です。現在では6日に七夕飾りを用意し、夜のうちに軒先に飾るのが一般的です。

七夕飾りとは、笹竹に願いを書いた短冊や折り紙細工などを結び付けたもので、願い事は自由に書いてかまいません。

また庭先やベランダに、裁縫の糸や天の川を思わせるそうめん、瓜や茄子、果物などを供えるのもいいでしょう。夕食にはお供えものと同じく、そうめんを食べる地方があります。

七夕飾りは7日の夜には軒先から下ろし、ゴミとして処分しましょう。

地方別・七夕行事

北海道・東北地方

北海道では、一般的に新暦に七夕行事を行います。この日はお盆の始まりと考える地方が多く、月遅れのお盆の地域では、八月七日に墓掃除を行っているようです。
八月初旬にわらや紙でつくった人形を水に流す行事が多い東北地方。青森県の「ねぶた祭り」でも、以前は旧暦七月一日から行われて七日に川や海へ流すものでした。これは「ねぶた流し」と呼ばれ、禊による祓の行事とされています。ちなみに、秋田県秋田市の「竿灯まつり」も、もとは「ねぶた流し」と呼ばれていた行事。真菰で「七夕馬」をつくる地方もあるようです。

関東地方

群馬県では、川の名前を書いた色紙の短冊を結びつけた新しい竹と赤飯、うどんなどの食べものを真菰の馬と一緒に供えるしきたりがあります。
また、茨城県の南部などの真菰がない地方では、わらで雌雄一体の馬をつくり、竹に結びつけます。このころには、鉦をたたいたりして田畑の害虫を追い払う「虫送り」という行事も各地で行われています。

北陸・甲信・東海・近畿地方

七月六日の夜、新潟県の海岸部では「七夕丸」という大きな船をかやでつくり、わらの馬を下げる風習があります。この船を村中担いでまわり、七日の朝には海に流してしまいます。
静岡県田方郡では八月七日の朝に小学生が中心となって、海に七夕飾りを立てる行事が行われます。
このほか、近畿地方では八月がお盆の月となるために七夕行事も月遅れで行う地域があります。また、七日盆の慣習が各地で見られるのも近畿地方の特色。この日には仏壇の掃除や墓掃除が行われるようです。

四国・四国地方

島根県隠岐郡では、子供たちが桟敷をつくって笹竹に短冊などを結びつけます。このほかに手製の提灯や、茄子やキュウリを使ってつくった牛馬人形も飾り、夜半まで歌って遊ぶようです。夕食は持ち寄った会費や寄付金などで保護者が手伝いながらつくります。以前は「とおれ、とおれ稲の虫やとおれ」と言いながら、村中を行進して「虫追い」も行っていたそうです。
四国の愛媛県伊予市では、六日の宵のうちに子供たちがスイカやカボチャなどでつくった提灯をつけて遊ぶ習慣が残っているようです。

九州・沖縄地方

かつては月遅れの七夕を行っていた九州地方でも、最近では新暦に行事を行うことが多いようです。熊本県の一部では、六日の夜に青年たちがわらで長い縄をつくり、同じくわらでつくった人形やわらじ、卵などをぶら下げます。場を清めて先祖の霊を迎えるためのこの絹は「七夕網」と呼ばれ、集落を流れる川に張り渡します。
沖縄県の七夕行事は、ほかの行事と同じく旧暦に行われることが多く、お盆につながる行事として七日は墓掃除をしてお盆の案内を行います。この際、お墓にはお酒やお茶、線香sなど、仏壇にも簡単な料理を供えるのがならわしになっています。