お七夜の祝い方は?

退院して落ち着いたころにお七夜を

子供が生まれてから7日目の夜をお七夜と言います。お七夜には,その日までに考えておいた名前を子供に命名し、家族やお世話になった方たちで祝い膳を囲んでお祝いするならわしがあります。かつてはこの行事も、父方の祖父が主催して親類や嫁の実家を招いて行われていましたが、このならわしが現代にもふさわしいとは思えません。もし、お七夜のお祝いを行うのなら、やはり生まれた子供の直接の育児責任者である父母が主催するべきでしょう。

実際には、7日目というと母子が退院したばかりのころ。大勢の方を招いてもてなすのは無理があり、母子の健康上、好ましくありません。子供の誕生に夫婦ふたりで祝杯をあげるか、せいぜい、それぞれの親を招いて内々で祝う程度に控えましょう。日取りも7日目にこだわる必要はなく、落ち着いたころを見計らって行うのが賢明です。もし、ある程度の人数を招く必要がある場合は、母子に負担を与えないよう、もう少し日にちが経ってからお披露目するほうがいいでしょう。

ちなみに、祝ってあげる立場の場合は,お七夜のころを目安に郵送や託送でお祝いを贈るのが妥当です。

子供の誕生から初誕生日までの祝い方
祝いごと 形式
(表書き・水引き)
贈る時期 お祝い品の内容
祖父母 親類 友人・知人
出産 「御祝」
紅白か赤金の蝶結び
出産後一週間から一か月 出産準備の手伝い、ベビーベッド、絵画、庭木、孫名義の通帳など 出産準備の手伝い、労力奉仕、ベビー用品、育児用品など
お見舞いには花やケーキなど
六か月後から一年後に使うパジャマや育児玩具、衣服など
また、親へ紅白のワインなど
お宮参り 出産と同様 当日付近 孫の衣類、人形、玩具、祝い膳の酒肴、もしくは晴れ着、現金など 玩具、小遣い程度の現金、祝い膳には現金、酒肴、ベビー用衣類などを持参 親類と同様
初節句 出産と同様 当日かそれまで 現金、ひな人形、武者飾り、鯉のぼり、節句にちなんだ色紙、絵、木目込み人形など 人形、玩具、衣類など 桃や菖蒲の花束、手づくりのケーキ、カードなど
初誕生日 出産と同様 当日 衣類、玩具
祝い膳にはフルーツやケーキ、祝い肴、ワインなどを持参
ぬいぐるみや人形、エプロン、お出かけ用小物など 祝い膳に招かれたときのみ、ケーキ、花束などを持参

名付け親を頼むときのマナー、頼まれたときのマナーは?

命名は親の意思を第一に取りいれて

名前は一生涯ついて回るもの。それだけに,子供に対する親の愛情や期待が込められています。親がどんな思いでその名を選んだか,子供に理解されるようなものを考えるべきでしょう。

以前は,名付け親や祖父母が考えることも多かったようですが,いまでは命名の責任者は子供の親です。とはいえ,現在でも親族や恩師など尊敬する人に名付け親になってもらうことを子供の親が希望する場合があります。そのようなときは必ず出産前にお願いしておいて,いくつかの候補を挙げてもらってそのなかから選ぶようにしましょう。また,逆に親がいくつかの候補を挙げておいて,名付け親に選んでもらう方法もあります。どちらにしろ,子供の親の意思を理解したうえで命名するのが後々に憂いや不満を残さないためにも必要でしょう。

名付け親は,名前が決定したら正式な命名書を書き,お七夜のときに出産祝いとともに持参します。この命名書は神棚があれば神棚に,または子供の枕元の高所に貼り,産婦の床上げのあとにはずして,へその緒とともに保存しておきます。ただし,最近はお七夜の催しを行うことも少なく,あまり格式ばるとかえって迷惑になることもあるのでとくにこだわる必要はないでしょう。名付け親へのお礼は早い時期にするのがマナーです。表書きは「命名御礼」とし,紅白結び切りか蝶結びの水引きを使います。

命名書の書き方

一般的な命名書半紙の中央に、毛筆で子供の名前を書く。

本格的な命名書
奉書紙か美濃紙を使用し、毛筆で書く。書き方は、まず紙を縦半分に折り、折り目を下にして、さらに横三つに折る。これを一度広げて図のように書き、墨が乾いたら、左・右の順に折たたんで、上包みをかけて命名と記す。