お悔やみ事
「葬」とは葬儀のこと。
思いがけないときにやってくるのが悲しみの儀。
素早く対応できるように心がけましょう。
通夜の時間と席次は?
遅くとも十時ごろには終わらせる
以前は夜を徹して通夜を行っていましたが、最近では夜半まで行う「半通夜」が一般 的になっています。
通常、午後七時頃から始めて九~十時には終わるようにします。
故人と血縁の農い人や関わりの深い人が祭壇近くに
通夜式では、祭壇に向かって右側に喪主、遺族、親族と、故人と血縁の濃い順に並びます。左側には、世話役代表、上司、先輩、同僚、友人、知人と、故人との関わりが深い人から前列に座りますが、厳密に分ける必要はなく、到着順に並べばよいでしょう。
ただ故人と親しい人ほど前列に座るのがエチケットですから、たとえ社会的地位が高い人でも故人との関わりが薄い人は、それなりの席に着くのがマナーです。
仏式通夜の席次例
厳格な決まりはありませんが関係の深い人が前列に着きます。有人、知人は左側後方の籍に着くのが一般的。
公葬の申し出は受けなければならない?
社会的に高い地位の人や事故で亡くなった人の場合は、社葬や団体葬の申し出があることがあります。喪主はあくまで遺族ですが、会社や団体が主催者となりますから、故人や遺族の意志が反映されにくくなります。近親者でよく話し合い、「故人の意志ですので」と丁重に断れば礼を失しません。また公葬を行う場合もあらかじめ密葬をすることで、身内だけで送ることもできます。
仏式の通夜の方法は?
「半通夜」が一般的
通夜は、故人の現世の最後の夜を共に過ごすというもので、かつては文字通り夜通し行われていました。弔問客は翌日の葬儀にも参列するのですが、最近ではさまざまな都合から、昼間の告別式には参列せず、通夜に訪れる弔問客が多くなっています。そういうところから、夜通し行われていた通夜も「半通夜」と言って、夏場なら午後七時ごろから、冬場なら午後6時ごろから始められ、約1~2時間で終わるのが一般的になっています。
儀式は1時間程度で終了しますが、灯明と線香は夜通し絶やさないという昔ながらのならわしで行っている家も多いようです。この場合は、遺族が交代で遺体を見守ることになります。
会葬礼状、通夜ぶるまいを整える
近ごろ、弔問客は通夜だけに参列する人もふえていますので、通夜でも「会葬御礼」の礼状を手渡すことが多くなりました。これは、葬儀社に頼むと整えてくれます。ていねいにするなら、通夜と葬儀当日の会葬御礼の供養品を違うものにすると気がききます。
通夜ぶるまいは、食事の席を設けるほかに、お茶とお菓子、あるいは、少量の酒と折詰などを「粗供養」として会葬礼状とともに持ち変えってもらう例もあります。地域、環境によって決めましょう。
式の流れ | 遺族 | 一般会葬者 |
---|---|---|
受付開始 | ●式の三十分前には受付開始 ●喪主は所定の席につき、弔問を受ける |
●十分前には受付をすませ、式場に入る |
僧侶到着 | ●僧侶を控え室に案内し、茶菓(さか)でもてなす | |
僧侶入場 | ●進行係が僧侶を式場に案内する ●一同黙礼で迎える |
●一同黙礼で迎える |
僧侶読経(どきょう) | ●静かに拝聴する | ●静かに拝聴する |
遺族焼香 | ●喪主から順に焼香する | ●遺族の焼香を見守る |
一般会葬者焼香 | ●黙礼して見送る ●進行係は僧侶を控え室に通し、茶菓でもてなす |
●黙礼して見送る |
通夜終了 | ●喪主は会葬者に挨拶(あいさつ)し、通夜ぶるまいへ誘う | ●挨拶を拝聴したあと、通夜ぶるまいの席へ移動 |
通夜ぶるまい | ●僧侶を上座に案内し、喪主が隣席に、遺族は末席につく ●僧侶が通夜ぶるまいに出席しない場合は、「御膳料」を包み、世話役代表が見送る |
●通夜ぶるまいを受ける |
通夜ぶるまい終了 | ●ころ合をみて、お開きの挨拶をする | ●通夜ぶるまいを受ける |
葬儀の打ち合わせ | ●一般会葬者が帰宅したら、翌日の打ち合わせを行う | - |
仏式のお参りの仕方は?
読経のあと喪主から順に焼香する
読経はおよそ三十分前後続きますが、その間、参列者も唱和するか静かに聞きます。読経が終わると僧侶がまず焼香をし、続いて喪主、葬儀委員長、故人に近い関係の遺族から参列者全員が行います。
祭壇の前に進んで、本尊、遺影に一礼し、右手の三指で香をつまんで香炉にくべて合掌。もう一度本尊と遺影に向かって一礼、僧侶にも一礼して席に戻ります。
香をくべる回数は宗派によって異なりますが、仏教徒で自分の方針をもっている場合はそれに従い、ほかは一回。
自宅での葬儀の場合は、回し香のときがあります。この場合、僧侶から喪主に香炉が渡されますが、次に葬儀委員長、ついで喪主の隣に座っている遺族。あとは席順に香炉を回して参列者全員が焼香します。
回し香の場合は、香炉を渡されたらひざの前に置き、祭壇に向かって一礼して香をたき、合掌して拝みます。
そのほかに部屋の外で焼香をする場合もありますが、このときは、会場へ到着順に焼香を行います。
なお読経中は、参列者は静かにお経を聞いていますので、小さな子どもを連れている場合は、はしゃぎ回ったりしないよう注意しましょう。
数珠のかけ方・手の合わせ方
数珠は左手首にかけてもちます。手を膝に置く時もそのまま。
手を合わせるときは、短い数珠は両手合わせて4指にかけ、親指で押さえます。長い数珠は、両手の中指にかけて手を合わせます。
回し香のとき
自分の所に回ってきた香炉に、祭壇前に出向いたつもりで焼香します。
僧侶のもてなし方は?
通夜の前後に茶菓を。通夜ぶるまいにも同席を
僧侶が到着したら、まず控え室へ案内し、そこで茶菓でもてなします。喪主と世話役代表があいさつをして通夜の内容などを確認しておきます。戒名をまだいただいていない場合は、祭壇に飾ってあった白木の位牌を渡して、この場で書いてもらいます。
通夜が終わった後は、再び控え室へ案内し、茶菓でねぎらいます。続いて通夜ぶるまいになるわけですが、司式の僧侶にも同席していただくのが原則。喪主がその席にお誘いして、上座に案内します。二人以上の僧侶に来ていただいた場合には、控え室に膳を運んで召し上がっていただいてもよいでしょう。
僧侶の都合などで通夜ぶるまいに同席しないときや精進料理でないときは、現金を「お膳料」として包み、「お車代」とともに渡します。「お食事を用意しなければならないところを、失礼します」とお詫びの言葉を添え、金包をお盆に乗せて差し出します。「お膳料」は一人五千円~一万円くらい、「お車代」は寺との距離によりますが、同地区なら五千円くらいでしょう。菩提寺が遠く離れている場合は交通費の実費を上回るよう考慮します。
また翌日の葬儀・告別式についても、このときに打ち合わせをしておきます。
焼香の仕方
1.遺影に拝礼したら左手に数珠を持ち、右手の三指で香をつまみます
2.香をつまんだままささげ念じます
3.香炉の中へ静かに落とします
4.合掌し、深く一礼します
5.僧侶と遺族に一礼して席にもどります
線香の立て方
1.ろうそくの炎の下方から火をつけるようにします
2.線香の炎は左手であおいで消します
3.線香は一本に思いを込めて立てます