お年玉を贈る範囲と金額は?

学齢前なら品物、学生は一か月の小遣い額を目安に

本来、お年玉は神に供えた丸餅を一家の長が家族や使用人、出入りの職人などに分け与えたものでした。現在では、それが現金になり、親から子へ贈る形が一般的になっています。もとの意味に沿って考えれば、一家の経済的支柱にある人が家族に与えるということになります。この範囲には、親から子や孫はもちろんですが、すでに現役を引退している老親などを含めてもいいでしょう。このほかには親類の甥や姪など、自分より若い人たちに贈るのが一般的です。他人の場合には、世話をしている人の子供に贈る程度、先輩や上司など目上の方の子供に贈るのはマナーに反します。金額は、子供の経済感覚に合わせて、だいたい一か月の小遣いの額が限度。学齢前の子供は、おもちゃや絵本などの品物のほうがふさわしいでしょう。暮れのうちにポチ袋を手づくりなどで用意しておき、一人ひとりの名前を記します。大切なのは、子供が金額で人を判断しないようにすることです。心をかけてくれた大人に感謝し、贈られたものをどう生かすかが問題。そのためにも、本人に使途を考えさせることが必要でしょう。

年賀状の書き方は?

交友関係を改めて確認する年に一度の機会

本来、年賀状は正月に直接年賀に伺えない遠方の方に送る年頭のあいさつ状。しかし最近では、正月に会うことがわかっている方にも年賀状を出す傾向にあります。さらに、元旦に届くためには暮れのうちに投函しなければならないのが現状のため、ますます形式的になっていく傾向です。その反面、グリーティングカードとしての意味合いが強くなり、親しい人やお世話になる人、あるいは旧知の人などに近況報告や抱負を語り、無事を確認し合うという新しい楽しみが加わってきたのも事実。年に一度、交友関係を改めて確認するためにも、年賀状は楽しんで書くようにしたいものです。書き方は、はじめに新年を祝う言葉であるで「賀正」や「謹賀新年」など、次に「旧年中はお世話になり・・・」と、旧年中の交誼に対する感謝を述べます。そして、新しい年の親交を願って「今年もよろしく・・・」といった言葉が続き、最後に先方の幸せを祈る言葉でしめくくります。相手によっては近況報告や家族の状況、今年の抱負などを盛り込み、書き方や言葉使いにその人らしさが感じられるような年賀状になれば、より一層心がふれあう内容になるでしょう。

印刷の場合も、手書きの一筆を添える心遣いを

とくに避けるべきことは、夫の公的な立場の賀状に妻が自分の名前を記して出すこと。こうした公私混同のあいさつは逆効果になるだけです。また、自分と相手の関係にも注意を。目上の方に対しては、年頭のあいさつにふさわしく威儀を正す必要があるでしょうし、親しい間柄なら親近感のあふれる内容にしたいものです。本来ならば、一人ひとりに心を込めて書くべきですが、数が多い場合には印刷するのも現在の傾向です。ただし、この場合には、決まり文句だけを印刷し、余白にひと言でも自筆でメッセージを添えるような工夫と心遣いを。

Column

前年に不幸があった場合の年頭のあいさつ

前年に家族を亡くした場合には、その家に新しい年神が宿らないとされているため、正月飾りやお供えも不要。表向きには「おめでとう」という祝いの言葉を避けるのがしきたりですので、年賀状も出す必要はありません。一般的には、十二月中旬までに年賀欠礼のお詫びのあいさつ状を出すようにします。文面には、誰がいつ亡くなったかを簡単に記し、年始のあいさつを控える旨を記します。また、年賀欠礼のあいさつ状の代わりに、あるいは年賀状をいただいた方に、松の内が過ぎてから寒中見舞いとしてあいさつ状を出してもいいでしょう。