お中元・暑中見舞い マナー・豆知識
お中元の「熨斗(のし)紙・包装」の選び方や表書き・名前の書き方のマナー
お中元にふさわしい「のし・包装」とは?
最終更新日:2024.6.20
お中元も内祝いやお祝い等の一般の贈りものと同様にのし紙を掛け包装して贈ります。しかし、のし紙には様々な種類があり、表書きや名前の書き方のマナーが分からず悩む方も多いのではないでしょうか。この記事では、贈るシーンによって異なる外のし・内のしのマナーや水引の選び方、のし紙の表書きや名前の書き方など、お中元の熨斗(のし)や包装についての基本的なマナーや注意点をご紹介します。どのようにすれば良いか不安な方は、参考にしてください。
目次
お中元の「のし紙・包装」はどうすればいい?
のし紙とは、水引とのしを印刷した紙のことを指します。お中元を贈る際につけるのし紙の選び方や水引の種類、表書きや名前の書き方について解説します。
◆お中元には「紅白蝶結び」の水引の熨斗紙を選ぶ
お中元を贈る際は、「熨斗(のし)」と「水引」が印刷された「のし紙」を添えるのが一般的です。熨斗(のし)とは、ご祝儀袋や贈りものに掛けるのし紙の右肩に添えてある飾りのことで、熨斗(のし)は一般の贈りものや慶事で使われます。弔事では、のしがない水引だけを印刷した掛け紙を使います。
のし紙にはいくつか種類がありますが、お中元の熨斗紙には、末永くお付き合いをしていきたい方にまた来年も贈ることができるようにと願いを込めて「紅白蝶結び」の水引を用います。水引の本数は、5本または7本を使うことが多いです。
◆贈る相手との関係性で変わるのし紙の書き方
表書きとは、のし紙ののし上(水引の上)に書くものを指し、お中元では水引の上部中央に「お中元」または「御中元」と書きます。
のし下(水引の下)には、名前を書きます。のし紙に書く名前は、どのような間柄の方に贈るかで異なってきます。
■家族で贈る場合
- 家族でお中元を贈る場合には「姓」のみを記入するか、一家の大黒柱の「姓名」を書くのが一般的です。
■会社の上司や恩師など目上の方に贈る場合
- 会社の上司や恩師など目上の方に贈る場合は、「姓名」を書きます。
■連名で贈る場合
-
<3名までの場合>
-
<4名以上の場合>
- 連名で贈る場合には、表書きの真下に目上の方の氏名を書き、順に左に並べて書いていきます。のし紙に記載する連名は3名までとし、4名以上の場合は代表者の氏名だけを書き、その左横のやや下に「他一同」とし、別紙に全員の氏名を書きます。
◆のし紙の掛け方(内のし・外のし)
-
<内のし>
商品の化粧箱にのし紙を掛けてから包装します -
<外のし>
包装の上からのし紙を掛けます
のし紙の掛け方には、「内のし(中のし)」と「外のし」の2種類があります。「内のし」は、商品の化粧箱にのし紙を掛けてから包装をします。対して、商品を包装した上からのし紙を掛けるのが「外のし」です。
一般的に宅配便で贈る場合は「内のし」、手渡しする場合は「外のし」で使われることが多いです。
内のしは、直接品物にのし紙を掛け、その上から包装紙で包むため、お渡しの際にはのし紙が隠れ表書きが見えないので控え目な印象になります。そのため、控え目な贈り物とされる内祝いでは内のしがよく使われます。
一方、外のしは、商品を包装した上からのし紙を掛けるので、即座にどのような贈り物かを相手に伝えることができます。そのため、直接贈り物を手渡しする場合や出産祝いや結婚祝いなどのお祝いの気持ちを強く表したい贈り物で使用されています。
一度だけ贈る場合や喪中の場合の表書き
今年だけお世話になった方に贈りたい場合はどうすればいいのでしょうか?お中元は一度限りでは失礼にあたるので、一度だけ贈る場合は表書きを「御礼」などにしましょう。
また、喪中の方にお中元を贈りたい場合、お祝いごとではないので贈っても差し支えはありません。忌明け前の場合は、時期を考えることが必要です。日にちをずらし、忌明け後の四十九日を過ぎてから「暑中御見舞」「残暑御見舞」としてお贈りするとよいでしょう。通常お中元を贈る際は紅白の水引きの入ったのし紙を使用しますが、喪中のときは、相手は喪に服し故人を偲ぶ期間であるため、紅白の水引きはふさわしくないと考えられます。喪中の際にお中元を贈る場合は、熨斗や水引のない白無地のシンプルな紙を選んで贈ることをおすすめします。
喪中の時のお中元のマナーについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。こちらも参考にしてください。
>自分や相手が喪中のときお中元は贈っていい?
略式の短冊のし
「のし紙」自体も、のしや水引きを印刷したものですから略式なのですが、短冊のしは、さらに簡略化したものです。贈りものをするときは、本来なら体裁を整えてお渡しするものですが、短冊のしでも失礼にはあたりません。特に近年は資源を大切にするエコの観点から短冊のしが使われることが増えています。
但し、短冊のしはのし紙をさらに簡略化した簡易的なもののため、正式なマナーにこだわる目上の方など贈る相手によっては失礼だと思われてしまう可能性もあります。また、手渡しする場合にも不向きな形態になる場合があるので注意が必要です。
シャディでは「まごころエコ」活動の一環として、環境に配慮した「簡易包装」を採用しております。お中元ご用途でご注文いただいた場合、簡易包装のうえ、「お中元用の短冊シール」を貼り付け、お届けいたします。
もちろん手渡しの場合や簡易包装を希望されない場合は、のし紙・包装紙をお付けする「通常包装」もご利用いただけます。
>シャディのお中元のし・包装紙無料サービスはこちら
お中元に「のし紙」はなぜ必要?水引とは?
お中元など一般の贈りものや慶事の贈り物にはのし紙を掛けるのが一般的なマナーとされています。そもそもなぜのし紙を掛ける必要があるのか、のし紙についての基礎知識を解説します。
◆「のし」とは?
熨斗(のし)とは、ご祝儀袋や贈りものに掛けるのし紙の右肩に添えてある飾りのことです。右上に印刷されている細長く六角形に折った赤白の色紙のなかに貼りつけられている、黄色っぽい紙があります。本来“のし”というと、この黄色っぽい紙のみを指します。
日本の贈りもの文化の起源は、神前に供えた奉納品が発祥とされています。神饌物(神様の食べ物)としてお供えする新鮮な肴を束ねるために和紙で包み、その上から数本の白い紙縒りを束ねたもので丸結び(今でいう結切り)にする形で奉納されていたようです。日本書記などでも伊勢から「アワビ」を朝廷に献上していた記録が残っています。
「のし」は、もともとは海で獲られるアワビの身を薄く長くそいで伸ばして干物にし、それを熨した(のした=伸ばした)「のしあわび」のことで、古来は祝儀用の肴(さかな)に用いられていました。その後「のし」は「伸びる=永続」の意味を持ち、祝意を表す贈り物に添えるようになったことが現在ののしの由来といわれています。 また、「干しあわび」を長寿の薬として重宝したことから「のし」は慶事にのみに用いられるようになりました。不祝儀の際には、引き伸ばすという意味を嫌うとともに、仏前への供物には生ものを供えてはいけないことからのしは使いません。 また贈りものが肉や魚、卵、魚介類など生ものの場合も、それ自体が生臭いものなので、のしを付ける必要はありません。 現在は簡略化され、印刷されたのし紙や折り熨斗などを使うのが一般的になっています。
◆水引とは?
水引きとは、のし紙の中央にある「飾り紐」のことを言います。水引きはいくつか種類があり、結び方や紐の色、本数によってさまざまな意味合いがあるため、贈る目的に合わせて使い分ける必要があります。
水引きの結び方では「結び切り」「あわじ結び」「蝶結び」が特に一般的です。「結び切り」や「あわじ結び」は一度結ぶとほどくのが難しいことから、「二度と繰り返さないように」という意味で婚礼や快気祝いなどのお祝いごとのほか、繰り返したくない弔事やお見舞いなどで用いられます。 両方に輪をつくり形が蝶のように見える「蝶結び」は、何度も結び直すことができることから、出産や入学などの何度繰り返しても良いお祝い事やお中元・お歳暮などの一般贈答で使います。
水引きは本数が多く長いほど立派とされ、慶事においては5本・7本・9本の奇数で作られています。一般的には5本・7本を使うことが多いです。 奇数で作られているのは「割り切れる=分かれる・離れるなどの縁起の悪い印象を持つ偶数を陰数、奇数を陽数」とする中国の陰陽説からきているようです。 5本を2組使う10本もありますが、奇数の5本を倍にして豪華さを表すとともに十分に満ち足りているという意味合いを持ち、婚礼のときに使われます。
◆「のし紙」について
のしと水引きを印刷した紙のことを「のし紙」と言います。
店やデパートで買う贈答品は、こののし紙をかける場合がほとんどです。というのも、のし紙は包む手間と時間を省くための略式の贈答体裁で、のし紙を品物にかけることで紙で包んだつもり、のしをつけたつもりになって「改まった気持ちでお贈りします」という意思表示をします。お中元を贈るときは、のし紙をつけることが一般的と覚えておきましょう。
マナーを守って喜ばれるお中元を贈りましょう
マナーを守ってお中元を贈ることで、お世話になっている方に喜んでもらえるだけでなく、相手の方と今後の関係を良好に保つことにもつながります。お中元の熨斗(のし)や包装について、基本的なマナーをしっかりおさえておきましょう。
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