のし
日本文化の誇れる「ラッピング」表書きと水引。
贈り物の達人を目指しましょう!
贈答体裁はなぜ必要か?
それぞれの意味を把握して体裁を整える
贈答体裁とは、贈答の体裁を整えるために必要な折形などのこと。これらにはそれぞれ意味があります。
例えば、贈り物を白い紙で包むのは、贈答体裁の基本。これは、贈り主の身の汚れや外界の悪疫からその品物を隔てるため。汚れから隔離するという考え方は、贈り物が神仏に供えるものであったことに由来するようです。そのために、贈答の体裁が日本の礼法の中でも大きな比重を占めることになったと思われます。
せっかくの贈り物も、贈答体裁が整っていなければ、受け取る側に不快感を与えることにもなりかねません。従って、贈答体裁の基本となるそれぞれの意味をよく把握したうえで、体裁を整えることが大切でしょう。とくに格式を重んじる贈答品には、細かいしきたりに心を配ることを忘れずに。
包み方の基本は?
包んだときに右前になるのが慶事、左前が弔事
第一は品物を紙で包むことです。和紙の包み方も、かつては中の品物によって折形が異なっていたため、数百種の包み方があったと言われています。現在では、大体がパターン化していますので、その方法をまずはマスターしましよう。
包む和紙は、檀紙、奉書紙、糊入れなど。格式の高い贈答にはシボのある独特の風合いの檀紙を用います。目録などや一般贈答には、片面にちょっとケバのある奉書紙を。糊入れは略式の場合にのみ使います。通常は、結婚祝いには二枚重ね、そのほかは大抵一枚で包みます。ていねいな贈り物の場合には、四方からたたむだけにします。
また包んだとき、右前になるのが一般慶事で、弔事は左前にするのがしきたりですが、現在ではあまり区別をしなくなってきたようです。なお、包む品に合わせて紙の上下を折る場合は、慶事では下側を、弔事では上側を折るのが決まりです。
ちなみに、和紙の包み方を見ると、およそ中の品物の見当がつくのが、日本の折形の特徴だということも覚えておくといいでしょう。
包み方 その1 最も簡単な包み
- 1.包む箱の天地の寸法に合わせ紙を用意。裏面を上にして箱を置く。右手の紙の端が表面をおおって左角にくるよう、箱の位置を決める
- 2.右手の紙をいったん元に戻し、左側の紙を箱にかぶせ、なりゆきで折り込む。その上に右手の紙をかぶせる
- 3.箱に沿って折り目を整える。一般贈答には奉書紙を1枚。慶事用に紅紙を重ねるなら、縁から紅が見えるように白紙の寸法をやや控える
包み方 その2 中央に折ひだを作る
- 1.包む箱に対して紙が小さいときは2枚組み合わせて包む。右側の紙を上にして、紙の一部を重ねて置く。
- 2.左手の紙をかぶせ、先端を右角に合わせて折る。なお、結婚祝い用には奉書紙2枚を外表にそれぞれ重ね、計4枚を使う
- 3.かぶせた紙を右から1/3の所で折り返す。次に右手の紙をその上からかぶせ、左側の折り返した紙の端より中側で折り返す
- 4.折り返して余った部分を、中にもう一度折り込んで、中央に箱ひだ状の折り目を作ってでき上がり