結婚祝いを贈る時期は?

遅くとも挙式の一週間前までに

(左)和合紙の上に金包をのせ末広を添える
(右)ふくさをかける
  お祝いの金品は、招待を受けてから挙式の一週間前くらいまでに贈るようにします。ていねいにするには自宅へ直接届けますが、相手の状況に合わせて、外で会って手渡すか、託送したり、専門店から直送してもいいでしょう。その場合はお祝いのメッセージを添えるか、送り状を別送します。   挙式までにお祝いが間に合わないときは、新郎新婦が新居に落ち着いてから、必要な品や不足していた品物を聞いたうえで贈るといいでしょう。   招待されないけれど祝福を形にしたい場合も、新居に荷を運ぶ一週間ほど前に贈るのがマナー。あるいは新居に落ち着いてから贈ります。お返しの負担をかけないためには、少額の現金か実用的な品物にするのがコツです。
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地方別結婚祝い

北海道地方

北海道の披露宴は、そのほとんどが会費制の祝賀会として行われるため、出席する人たちは、直接会場の受付で全員一律の会費を支払う形になります。親しい友人などの場合でも、会費のほかにお祝い金を持参するケースは少なく、とくにお祝いの品物を贈りたいときは、自宅のほうに持参することが多いようです。

津軽地方などでは新郎側に贈るお祝には「御贐(はなむけ)」とすることがある

東北地方

青森県の津軽地方などでは、新郎側へのお祝いは表書きを「御祝」としますが、新婦側へのお祝いには「御贐(はなむけ)」とすることがあります。ただし、これは式当日までにお祝いを贈る場合で、式がすんでからの場合は「御祝」とします。

岩手県や宮城県などでは、親戚などはお祝いの金包とは別に新婚旅行のせんべつとして、「御贐」と表書きをして一万~五万円程度を包むようです。また、盛岡市周辺では、当日のお祝い金とは別に前もって品物を自宅に届けるケースが多く、その場合も表書きを「御贐」とします。そのほかの地域でも、秋田県本荘市、山形県米沢市周辺など、お祝いのほかに「御贐」として現金や品物を贈るところが見られます。

関東地方

 お祝いは、親戚など親しい人は事前に自宅へ持参するようです。包む金額の目安は、友人などの場合で二万~三万円です。  神奈川県の南部、西部、中央部では、式の前に自宅へお祝い金を持参し、さらに当日の会場にも「御祝儀」などと表書きした金包を用意することがあります。

北陸地方

披露宴当日、金包を持参するのが一般的で、金額の目安は友人の場合で二万~三万円です。また、新潟県、富山県、福井県では、お祝い金に清酒を添えることがあります。石川県では、遠方の場合を除いて、ほとんどの人が事前に自宅のほうにお祝いを持参するようです。

甲信・東海地方

ほとんどの地域で多くの場合、お祝いは現金を用意し、当日会場に持参します。金額の目安は友人の場合で二万~三万円です。岐阜県の高山市周辺では、式の一週間くらい前の吉日にお祝いを自宅に届けることが多いようです。また、美濃・加茂・東濃地方では、親族の場合、会場の受付にお祝い金に風呂敷と扇子一対を添えて持参することがあります。

関西地方で用いられる「ため紙」は懐紙を折りたたんで束ねたもの

関西地方

披露宴当日に現金を会場に持参するのが一般的ですが、ていねいなかたちとして、式の前に、次のような体裁で新郎や新婦の自宅に届けることもあります。  京都市内や大阪府では、熨斗・末広・目録・金包を片木(へぎ)盆にのせ、広蓋(ひろぶた)・ふくさ・家紋風呂敷を用いて贈るのがていねいとされています。受けた側では「ため紙」を差し上げ、祝儀袋にいただいた金額の一割程度を入れます。  兵庫県でも、片木盆に熨斗・末広・金包をのせて届けます。正式にはふくさ・祝儀盆も用います。受けた側は、品物でいただいた場合は「ため紙」だけを返し、後日、内祝い品を届けます。滋賀県彦根市周辺では、お祝いに熨斗・末広をつけ、受ける側では「ため紙」にお茶菓子などをつけて返します。  なお金包の抱き合わせの紙は、新婦へは紅、新郎へは緑か青にします。

中国地方

披露宴当日に現金を会場に持参するのが一般的で、金額の目安は友人の場合で二万~三万円です。

岡山県、鳥取県、島根県出雲市周辺では、新婦への表書きには「贐」と書くこともあります。出雲市周辺では、親族の場合は多留(たる)料・栄名(さかな)料・八木(はちもく)料・末広を盆にのせて持参するのがていねいなかたちです。広島県では、お祝いに熨斗・末広を添えて片木台にのせてふくさをかけ、式の一週間くらい前までに持参するのがていねいなかたちとされています。

四国地方

徳島県、香川県、愛媛県松山市では、お祝いを事前に自宅に持参することが多く、友人で二~三万円が目安です。徳島県、香川県では表書きには「御歓」と書きます。

高知県では、披露宴客が二百五十名くらいになるのがふつうです。お祝いは当日会場に持参することが多く、友人で一万円程度が目安です。

九州地方

お祝いは現金で、当日、会場に持参するのが一般的です。表書きは「寿」「御祝」などとし、友人で二~三万円程度が目安になります。

沖縄地方

披露宴には二百五十人前後もの人を招待するケースが多く見られ、当日、現金を持参するのが一般的です。目安は一万円程度とされています。

持参するときのマナーは?

持参するかどうかはケースバイケースで

結婚祝いは、かつては挙式前の吉日の午前中に自宅へ持参したものでした。しかし、住む場所も離れ、互いに多忙な時代、自宅を訪問することが先方に負担を与えることにもなりかねません。そこで、持参すべきかどうかは相手によって考え、しきたりを重んじ、訪問を喜んでくれる人なら持参するようにします。

ていねいなお祝いは熨斗、末広を添えて

ていねいなお祝いの届け方としては、お祝いの品や金包に、慰斗と末広を添えます。白木でできた片木(へぎ)盆の上に熨斗、金包(品物またはその目録)末広を載せます。なお、関西の方へ現金を贈るなら、金包の下に和合紙(半紙を抱き合わせに二つ折りにしたもの)を敷くのが通常です。また片木盆をさらに塗りの広蓋の上に載せます。これにふくさをかけ、風呂敷に包んで持参します。

先方に着いたら、風呂敷から盆ごと取り出し、お祝いの言葉を述べ、ふくさを取り除いて盆のまま先方に差し出します。盆は、片木盆の代わりに塗り盆を使ってもいいですが、これは返してもらうことになるので、少し略式になります。

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