自分や相手が喪中の際のお歳暮マナーをご紹介自分や相手が喪中の際のお歳暮マナーをご紹介

喪中のときにお歳暮やお年賀を贈ってよいのかお悩みの方も多いのではないでしょうか?結論からお伝えすると、相手や自分が喪中でもお歳暮を贈っても問題ありません。しかし、お年賀はお祝い事のため喪中の間は避けておくほうが無難です。

本記事では、自分やお相手が喪中のときにお歳暮を贈る方法や基本的なマナー、お年賀の代わりに贈る寒中見舞いについて解説します。

そもそも喪中とは

ご存知の方も多いかもしれませんが、喪中について振り返っておきましょう。

喪中とは、 亡くなった方を偲び、遺族の方が喪に服している期間のことを指しています。「忌服(きふく)」や「服喪(ふくも)」も、喪中と同様の意味があります。

日本では古くから、「死」を穢れているものと考える風習があり、昔は家で死者が出ると、遺族は穢れである「死」を家の外に出さない、周囲の方に迷惑をかけないよう、外出を控え喪に服さなければならないという考えがありました。現代でも、喪中の間はお祝い事や派手な贅沢は控えるなどいくつかのマナーや考えが続いています。

喪中の範囲や期間は?

故人との関係によって、喪に服す方の範囲や期間が異なります。明治時代には「服忌礼」という法律により喪中の期間が細かく決まっていましたが、現在は社会と適合した期間に修正されています。

ここからは、喪中の範囲と期間についておさらいしていきましょう。

■喪中の範囲

喪中の範囲は、一般的には配偶者や子、両親など、2親等以内の親族が亡くなられた場合と言われています。叔父や叔母、従妹などの3親等以降は含まないことが多いようです。しかし、3親等以上は喪に服してはいけないわけではないため、同居しているなど故人との縁が深い場合には、親等は関係なく喪に服してもよいとされています。

■喪中の期間

喪中の期間は、自分と故人との続柄や関係性、地域性によって異なるものとされています。

一般的な喪中の期間は、自分の父母や義父母、子どもの場合は12〜13ヶ月程度、祖父母や兄弟姉妹の場合は6ヶ月程度までと言われています。

ただし、喪中の範囲や期間はあくまで目安ですので、お付き合いの深さや悲しみの大きさによっては、これより長く喪に服しても問題ありません。遺族の意向により、これより早く祝い事に参加する場合などもあります。

喪中と忌中の違い

喪中も忌中も、身内の死に際して身を慎むという考え方は似ていますが、期間やタブーとされる内容には大きな違いがあります。

忌中の期間は宗教によって異なり、仏式の場合は四十九日、喪中は一年間が目安です。神式では五十日祭まで、キリスト教で喪に服すとすれば命日の1ヶ月後の召天記念日や五十日祭までとされます。

これらの期間を過ぎたことを「忌明け」といい、忌明け法要などが行われることもあります。忌明け法要の香典返しは、忌明け返しと呼ばれます。期間については喪中と忌中の違いは10ヶ月以上も差が出ますから、しっかり区別をつけておきましょう。

また、忌中は神社への参拝や結婚式への参列、お正月などのお祝いごと、飲み会への参加を控える、など喪中よりも慎ましやかに過ごす時期とされています。お相手が忌中の間は先方の事情を考慮し、お歳暮のやりとりも控えたほうがよいでしょう。

自分が喪中のときのお歳暮はどうする?

自分(贈り主)が喪中の場合には、相手の方に不幸があったわけではありませんので、お歳暮を例年通りに贈っても問題ないとされています。

ただし、贈る相手によっては、古くからの風習である死を「穢れ」とする考えの方もいらっしゃるかもしれません。そういった方は喪中の人からの贈りものを気にすることもありますので、その場合にはやはり忌明け後を目安に、シンプルな掛け紙を掛けてお歳暮を贈ると良いでしょう。

喪中の方へのお歳暮はどうする?

それでは、喪中の方にはお歳暮をお贈りしてもいいのでしょうか?

論として喪中の方にもお歳暮は贈っても問題ありません。お歳暮はその年一年間の感謝やお礼の気持ちを伝える贈りものです。お祝いという意味の贈りものではないため、お贈りしても問題ないのです。ただし喪中の方に贈る際には、時期とのし紙の書き方に気を付けなければならない点があります。

■お歳暮を贈るのは忌明けまでは控える

喪中の方にお歳暮を贈る時期ですが、忌明け前、つまり故人が亡くなられてから間もない場合は、時期を考慮する必要があります。

まだ故人とお別れされてからあまり時間が経っていませんので、気持ちの整理がついていない場合があるからです。年末せまっての忌明けなら、日にちをずらし、忌明け後松の内を過ぎてから「寒中御見舞」や「寒中御伺」としてお贈りするとよいでしょう。

■お歳暮に添える挨拶状に注意

喪中のお歳暮に添える挨拶状(添え状や送り状)にも注意が必要です。

「明けましておめでとうございます」などのお祝い言葉や、「ますます」などの重ね言葉などを使わないようにしましょう。

■お歳暮を贈る際はのし紙にも注意

お歳暮に掛けるのし紙にも、掛け方や水引など選び方にも注意が必要です。のし紙の掛け方には、商品の上に掛ける「内のし」と、包装の上に掛ける「外のし」があります。一般的には配送の場合は「内のし」、直接持参する場合は「外のし」が多いようです。

喪中ではない場合は、紅白の水引の入ったのし紙を掛けて贈るのが一般的です。しかし、喪中のときは喪に服し故人を偲ぶ期間のため、紅白の水引はふさわしくないと考えられます。喪中のときは、白無地のシンプルな紙をチョイスして、忌明け後であれば表書きを「お歳暮」と記載してお贈りすることをおすすめします。その際、メッセージカードや手紙で、相手の心があたたかくなるような慰めの言葉を贈りものに添えると喜ばれるかもしれませんね。

喪中の方へお年賀を贈っていい?

お年賀には、旧年中にお世話になったことへの感謝と今年もよろしくお願いしますという気持ちと共に新年を迎えた慶びを伝える意味があります。新年を祝う行事のため、お相手が喪中の場合はお年賀を贈るのは避けたほうが無難です。

とはいえ、毎年贈っているお年賀をやめてしまうのは避けたい…という方も多いはず。

ここからは、喪中の方へお年賀の代わりである寒中見舞いを贈る方法について解説します。

■喪中の場合はお年賀ではなく寒中見舞いを贈る

喪中のときはお年賀の代わりに、松の内を過ぎてから「寒中見舞い」として新年のご挨拶を贈ってもよいとされています。

寒中見舞いとは、元々寒い時期にお相手を気遣い品物や挨拶状を贈ることです。一般的には近況報告をはがきで贈るケースが多いですが、喪中のときにお年賀の代わりとして寒中見舞いを贈ってもよいとされています。また、お歳暮を贈る時期が過ぎてしまった場合にも、寒中見舞いとして贈れば失礼にはあたりません。

ほかにも、年始に喪中の方へ手渡しで贈り物をする場合は、のし紙の表書きを「ご挨拶」や「手土産」として、お年賀の代わりに渡すケースもあります。喪中のときに実家や義実家へ新年の挨拶をする場合は、表書きをご挨拶や手土産としておくとよいでしょう。

■お年賀の代わりに寒中見舞いを贈る時期は?

お年賀の代わりに寒中見舞いを贈る場合は、松の内(1月1日〜1月7日頃)を過ぎた「1月8日〜2月4日頃」の立春までに届くように手配しましょう。ただし、関西をはじめとした一部の地域では、1月15日頃までが松の内としている場合があります。

一般的には1月8日〜2月4日頃までに寒中見舞いを贈れば問題ありません。お相手が関西の場合は、1月中旬以降から立春の間に届くように手配するとよいでしょう。

喪中でもお歳暮や寒中見舞いを贈ってもOK

自分や相手が喪中の場合でもお歳暮は贈っても問題ないとされています。お歳暮はお祝い事ではないため、忌中を避けることや掛け紙などのマナーに注意して贈ると喜ばれるでしょう。

ただし、お年賀はお祝い事のため、喪中のときはお年賀ではなく「寒中見舞い」として贈るのがおすすめです。寒中見舞いを贈る際は、松の内を過ぎた1月7日頃から立春の2月4日頃までを目安にするとよいでしょう。

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