
初盆(新盆)にお中元を贈ってもよいのか、不安に感じていませんか?
初めての仏事やご家族・親族が初盆を迎える方にとって、贈り方やマナーは気になるポイントですよね。
この記事では、「初盆にお中元を贈っていいのか」「正しいのしや挨拶状の書き方」など、初盆に贈るお中元について分かりやすく解説します。
初盆にもおすすめのお中元ギフトの選び方についても紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
初盆でもお中元は例年通り贈ってよい
お中元は元々、日頃の感謝を込めて品物を贈る夏の行事のため、自分またはお相手が初盆でも贈って問題ありません。
お相手が初盆を迎える場合、季節の挨拶品としてお中元を贈るよりもお供え物として贈るケースが多いようです。
また、自分が初盆を迎えたときは、例年通りお中元を贈っても問題ないとされていますが、なかには縁起がよくないと感じてしまう方もいます。
そのため、自分が初盆でお中元を贈る場合は、事前に贈り先様に品物を贈ってもよいか確認しておくとよいでしょう。
初盆(新盆)とは、故人が亡くなってから初めて迎えるお盆のため、通常のお中元とは異なる心配りが求められます。
お中元を贈る時期や品物に掛ける掛け紙など、お相手に気を遣わせないよう普段よりもマナーに気をつけておくとよいでしょう。
そもそも初盆とは?
「初盆(はつぼん・ういぼん)」とは、亡くなられた方が四十九日を過ぎて初めて迎えるお盆のことを指します。
地域によっては「新盆(にいぼん・しんぼん・あらぼん)」とも呼ばれ、故人の魂が初めて帰ってくるとされる大切な仏教行事です。
初盆には、遺族が自宅に祭壇を設けて故人をお迎えし、親族や友人が弔問に訪れてお供え物を供えます。
仏教行事の中でも特に丁寧な供養が必要とされる初盆は、地域や宗派によってしきたりや供養の形式には違いがあり、お中元を贈るときは注意が必要です。
たとえば、沖縄では旧暦でお盆を迎えることが多く、他地域とは時期が異なります。
また、浄土真宗など一部の宗派ではお盆の考え方がやや異なるため、相手の宗派を把握しておくと安心です。
初盆はただのお盆とは違い、遺族にとっては故人を偲ぶ非常に大切な節目です。
この大切な時期にお中元を贈る際は、形式だけでなく「相手を思う気持ち」が何より大切になります。
【お相手が初盆の場合】お中元を贈る際の基本マナー
お相手が初盆のときにお中元を贈る際には、通常のお中元とは異なるマナーや注意点があります。 ここからは、初盆をお迎えされる方へお中元を贈る際に気をつけておきたい4つのマナーについてご紹介します。
地域や親族間の慣習等でマナーが異なるケースもありますが、まずは基本マナーを確認してみましょう。
初盆にお中元を贈る時期
初盆にお中元を贈るタイミングは、地域や宗派によって若干異なりますが、一般的には通常と同じく7月上旬から7月15日頃が目安です。 関東地方では7月1日〜15日頃、関西や九州では旧暦に基づいて7月15日〜8月15日頃がお盆期間にあたります。 そのため、初盆を迎える方にお中元を贈る場合もそれに合わせて、早すぎず遅すぎず、なるべくお盆の前に届くようにすると良いでしょう。 また、配送する場合は、到着が遅れてしまわないよう余裕をもって手配することが大切です。 特にお供え物として品物を贈る場合は、初盆法要までに届くよう事前にお相手が受け取れる時期を確認しておくとよいでしょう。 お盆前後は宅配便も混み合うため、手渡しする場合も、訪問できない場合も、早めの手配がおすすめです。
初盆に贈るお中元の金額相場
初盆に贈るお中元の金額は、一般的に3,000円〜5,000円程度が相場とされています。
高額な品物を贈るとお相手に気を遣わせてしまう可能性があるため、高くても5,000円程度を相場にするのが一般的です。
お供え物として贈る場合も、3,000〜5,000円程度が相場になっています。
親族や特に親しかった故人など、初盆法要に参列する場合は、お供え物とは別に香典を用意するケースもあります。
初盆に贈るお中元の掛け紙(のし紙)
初盆に贈るお中元には、必ず「掛け紙(のし紙)」をつけて贈るのが基本マナーです。 お中元に掛けるのし紙は紅白の水引を使ったものが一般的ですが、喪中である初盆にはふさわしくないとされています。
そのため、初盆に贈るお中元には、白無地の奉書紙や短冊を選ぶのが一般的です。 ただし、場合によっては水引がない掛け紙がマナー違反と捉えられてしまう可能性があるため、事前に地域や親族間のルールを確認しておきましょう。
掛け紙の表書きは、「お中元」や「御中元」と記載するのが一般的です。 贈り先のお中元時期を超えてしまう場合は、表書きを「暑中見舞い」や「残暑見舞い」に変更します。 初盆のお供え物としてお中元を贈る場合は、表書きを「御供」「御供物」と記載すると、お相手に配慮の気持ちが伝わりやすいです。 お供え物として贈る場合は「黒白(黄白)結切」の水引、またはシンプルなデザインの掛け紙を選ぶとよいでしょう。
包装やのしは自分で整えるのが難しい場合もあるため、専門店やECサイトで掛け紙の対応ができるかを確認しておくとよいでしょう。
【自分が初盆の場合】お中元を贈る際の基本マナー
自分が初盆の場合は、例年通りお中元を贈って問題ないとされていますが、配慮しておきたいポイントもあります。
ここで自分が初盆を迎えるときに贈るお中元の基本マナーを確認しておきましょう。
初盆にお中元を贈る時期
自分の家が初盆の場合でも、お中元を贈るタイミングは一般的なお盆の時期に合わせて手配するのが基本です。
お盆の時期は地域差があるため、関東では7月上旬〜中旬、関西や九州では8月上旬〜中旬が目安となります。
初盆を迎える家庭にとっては、供養の準備や来客対応などで忙しい時期となるため、早めにお中元を手配しておくことが望ましいでしょう。
近年は7月中旬から8月初旬の間に相手へ届くよう、配送の混雑を考慮して余裕を持って準備するのが一般的です。
なお、忌中や何等かの事情でお中元の時期に品物が手配出来ない場合は、お詫びの手紙を添えたうえで8月末までに表書きを「残暑見舞い」としてお贈りすれば問題ありません。
初盆に贈るお中元の掛け紙(のし紙)
初盆を迎える家庭からお中元を贈る場合でも、掛け紙(のし紙)をかけるのがマナーです。
通常お中元を贈る際に使用する紅白の水引を使ったのし紙は避け、白無地の奉書紙や短冊に「お中元」と記載して贈るとよいでしょう。
ただし、短冊は簡易的な掛け紙とされているため、目上の方やお世話になっている上司などに贈るお中元には不適切とされています。
マナー違反と捉えられないよう、白無地のシンプルな紙に表書きを記載してお中元を贈るのがおすすめです。
自分が初盆のときにお中元をいただいたらお返しを贈っても平気?
自分が初盆を迎えた際、お中元やお供え物をいただいても、基本的にお返しは不要とされています。
しかし、高額なお中元やお供え物をいただいた場合は、ちょっとしたお返しを贈る分には問題ないとされています。
今年だけお世話になった方へお中元のお返しを贈りたい場合は、掛け紙の表書きを「御礼」と記載し、挨拶状を添えるとよいでしょう。
また、故人宛にお中元が届いた場合も、お返しは贈らなくても失礼にあたりません。 故人宛にお中元が届いたら、品物が届いたご報告と感謝の言葉と共に故人となったことを電話や挨拶状で速やかに伝えるのがマナーです。
初盆におすすめのお中元ギフトの選び方
お相手が初盆のときに贈るお中元は、単なる夏のご挨拶ではなく、お供え物として贈る方も多いようです。
自分が初盆の場合は、お供え物を意識する必要はありませんが、喪に服す期間であるため、派手なパッケージのものは避けたほうがよいでしょう。
また、お中元を贈る方の事情や地域の慣習も考慮すると、より心のこもったギフトとなります。
ここからは初盆に贈るおすすめのお中元ギフトをご紹介します。
お供え物として贈るなら五供がおすすめ
初盆に贈るお中元をお供え物として贈る場合は、最も定番なのが「五供(ごく)」にあたる品物を選ぶことです。
五供とは、仏前に供える次の5つのものを指します。
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香
香は「心を清め、場を整える」役割を担う供物です。
お線香の香りによって空間が浄められ、故人の魂を迎える準備が整うとされています。最近では煙の少ないタイプややさしい香りの線香、贈答用の進物線香セットが人気です。初盆用の贈り物としても非常に定番で、仏前に供える意味が込められています。 -
花
花は「生きとし生けるものの美しさと無常さ」を表す供物です。
仏前に飾る花は、故人への哀悼と感謝、そして命のはかなさを表現します。菊やリンドウ、カーネーションなど白・紫・淡い色合いの花が選ばれます。贈る際には、赤い花やトゲのあるバラなどは避けるのがマナーです。 -
灯燭
(とうしょく)灯燭は「仏の智慧の光を灯す」とされ、魂を導く明かりとして大切にされます。
お仏壇に灯すろうそくの火は、闇を照らす仏の知恵を象徴します。香と並んで基本的な仏具であり、線香とセットになったギフトも多く見られます。LED灯明やデザインろうそくなどもあり、現代のライフスタイルにもなじみやすい形に進化しています。 -
浄水
(じょうすい)浄水は「清らかな心で仏に仕える」ことを表す供物です。
毎朝仏前に新しい水を供えるのは、仏さまへの礼儀であり、清浄な心を表します。実際にギフトとして贈るときは、お茶や故人が好きだった飲み物を選ぶケースが多いです。 -
飲食
(おんじき)飲食は「感謝の心を形にする、もっとも身近なお供え物」です。
果物、菓子、お茶、乾麺などが一般的なお供えの飲食にあたります。仏前に供えた後、参列者やご家族でいただけることから、個包装や日持ちする品が人気です。初盆のお中元にも選ばれることが多く、贈る側の気遣いが伝わる代表的な供物です。
個人への敬意と感謝を表す五供は、お供え物として実用性が高く、喜んでもらえる消え物です。 中でもお線香やろうそくはお盆期間中によく使われるため、デザイン性の高いパッケージや煙の少ないタイプ、香りの優しいものは特に喜ばれるでしょう。
また、親族が集まったときに分けやすいお茶やジュース、お菓子等も喜ばれます。 故人が好きだったお菓子や飲み物を贈ることで、偲ぶ気持ちが伝わります。
定番の夏らしいギフトが喜ばれる
初盆にお中元ギフトを贈る場合は、季節感のある品物も喜ばれます。
たとえば、そうめんやゼリー、水ようかん、冷たいスイーツなどは、暑さの厳しい時期に喜ばれる品として定番です。
個包装や賞味期限の長いものを選べば、仏前に供えた後に遺族がいただくことができるため、日持ちの面でも安心です。
また、ジュースの詰め合わせやコーヒーのセットなども人気があります。
冷たいお菓子や麺類は夏の風物詩としても喜ばれるため、迷ったときの選択肢としておすすめできます。
初盆に贈るお中元ギフトでよくある質問
最後に初盆にお中元を贈っていいのか悩んでいる方へ、よくある質問を3つご紹介します。
遠方の方へ配送する際のマナーや、お中元に添える挨拶状で気をつけておきたいポイントなど、気になる方はぜひ確認しておきましょう。
中元を贈るとき配送してもいい?
初盆にお中元を贈る際、直接持参するのが理想ですが、遠方の場合などは配送でも問題ありません。
初盆法要の準備等で忙しないご遺族にとって、負担の少ない時期に配送してもらうほうが配慮を感じてもらえるでしょう。
ただし、お供え物として配送する場合は、必ず初盆の日程に合わせてご遺族が受け取れるよう到着日を調整する必要があります。
お中元シーズンは、配送業者も繁忙期のため、配送が遅れる可能性も十分ありえます。
事前にご遺族へお中元を贈りたい旨お伝えし、受け取れる日程を確認しておくとよいでしょう。
お中元を贈る際に避けたほうがよい品物はありますか?
初盆に贈るお中元で避けたほうがよい品物は、次の5つです。
- ・殺生を連想する生もの
- ・五辛(ごしん)
- ・鰹節や酒、昆布などの縁起物
- ・香りの強いお花
- ・トゲのあるお花
初盆の贈り物として避けたい代表的な品物は、お肉やお魚などの生ものです。
仏教の教えでは殺生が避けられているため、初盆をはじめとした弔事全般でふさわしくないとされています。
また、お祝いごとで用いる鰹節や昆布などの縁起物や華やかなパッケージの品物も慶事を連想させるため、控えるのが無難です。
お相手の宗教や地域によって、避けたほうがよい品物は異なるため、不安であれば事前に確認しておくのもおすすめです。 初盆の贈り物に迷ったときは、五供から選べば基本的に問題ありません。
お中元に添える挨拶状で気をつけるポイントは?
初盆に贈るお中元へ挨拶状を添える際は、基本的な文章構成から大きく変わるわけではありません。
しかし、故人を偲ぶ喪中ですので、ご健勝やお喜びなどお祝いのときに使う言葉を使わないように配慮する必要があります。
また、「たびたび」や「まだまだ」などの重ね言葉もタブーとなるため、注意が必要です。
挨拶状の書き方に悩んだら、基本である下記の構成を参考にメッセージを考えるとよいでしょう。
- 1.頭語
- 2.時候のご挨拶
- 3.相手を気遣う言葉
- 4.日頃のご厚意
- 5.品を贈ること
- 6.お相手の健康を気遣う言葉
- 7.結語
お中元に贈る挨拶状の書き方や例文については、下記の記事も参考にしてみてください。
初盆でお中元を贈るなら贈り方に配慮することが大切

初盆は弔事のため、初盆を迎える家庭へお中元の品物を贈る際はお供え物として贈るのが一般的です。
お相手が初盆だと把握していなかった場合は、お中元として贈っても問題はありませんが、ご遺族の気持ちに寄り添った一言をお伝えできると丁寧な対応と思ってもらえます。
初盆にお供え物としてお中元を贈る際は、五供に適した線香セットやお茶、夏らしい涼菓やそうめん、個包装の菓子詰め合わせなどがおすすめです。
贈る際は、初盆のお供え物とわかるよう掛け紙や包装紙を選ぶのも忘れてはなりません。
また、自分が初盆を迎えた際は、例年通りお中元を贈っても問題ありません。
しかし、忌中を避けたり、掛け紙をシンプルなものにしたりと、いくつかのマナーがあります。
地域や親族間の慣習などもあるので、事前に贈り先さまへお中元を贈ってもいいか確認しておくと安心です。
初盆に贈るお中元、お供え物にお悩みの方は、シャディ提携店・サラダ館でもご相談を承りますのでお気軽にご相談ください。
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