
親族から香典をいただいた場合、香典返し(満中陰志)が必要なのかお悩みの方も多いのではないでしょうか。
香典返しは、香典をいただいたときのお返しのため、お相手が親族であっても贈るのが一般的です。
しかし、親族間や地域で香典返しをしないと決めている場合や、辞退されたときなど香典返しが不要なケースもあります。
本記事では、親族への香典返しを贈る必要性や贈るときのマナー、贈らない場合の対応について詳しく解説します。
香典返しは親族にも贈るもの?
親戚や身内から香典をいただいたら、喪主の兄弟や両親など、どのような関係性の親族でも香典返しを贈るのがマナーです。
香典返しは、香典をいただいたご配慮への感謝を表す贈り物ですが、四十九日法要を終え、無事に忌明けを迎えたことを伝える意味もあります。
しかし、地域や親族間のルールで香典返しを贈らないケースもあり、必ずしも贈らなければならないものではありません。
親族へ香典返しを贈るべきか悩んだら、事前に仲のよい親族や葬儀社などに確認してみるとよいでしょう。
親族への香典返しが不要な具体的なケース
一般的にどんなに近しい親族であっても香典返しは必要とされています。
しかし、親族や地域の慣習、宗教によって香典返しが不要になるケースもあります。
ここからは親族への香典返しが不要になる具体的なケースについて確認していきましょう。
香典を辞退したとき
家族葬などで香典を辞退したときは、基本的には香典返しは贈りません。
身内のみで行われる家族葬は、費用面や準備など負担を軽減するために選択されるため、香典をいただかない代わりに香典返しも贈らないことが増えています。
しかし、参列いただいた親族の方からご厚意で香典をいただいた場合は、香典返しを贈る必要があります。
香典辞退している場合でも、持参いただいた場合はありがたく頂戴し、香典返しを贈るようにしましょう。
香典返しを辞退されたとき
香典をいただく際、普段から親しい親戚の方などから「香典返しはいらない」と辞退されるケースもあります。
香典返しを辞退される意味としては「遺族の今後の生活に役立ててほしい」「葬儀費用の足しにしてほしい」など、親族の配慮が込められていることが多いです。
そのため、親族から香典返しを辞退されたときは、いただいたご厚意に甘えても問題ないとされています。
ただし、香典返しを贈らない場合でも、配慮いただいたことへの感謝の気持ちと無事四十九日法要を終えたことを伝える挨拶状は贈るようにしましょう。
親族や地域、慣習で香典返しを贈らないルールがあるとき
香典返しについては地域や親族間でルールがある場合も多く、定額の品物を贈る場合や品物自体を贈らないケースもあります。
たとえば、北海道では香典の金額に関係なく、少額の品物を即返しとして、葬儀当日にお渡しするケースが多いです。
親族への香典返しが不要なのか迷ったら、葬儀社や相談しやすい親族に相談してみるとよいでしょう。
親族へ香典返しを贈るときのマナー
実は親族へ贈る場合であっても、一般的な香典返しのマナーとあまり代わりがありません。
しかし、親族からいただく香典は高額なケースもあり、親しいからこそ注意しておきたいマナーもあります。
ここからは、親族へ香典返しを贈る際のマナーについて解説します。
親族へ香典返しを贈る時期は、四十九日(忌明け)後が目安
香典返しは、忌明け法要(仏式なら四十九日法要)を終えた頃を目安に贈るのが一般的です。
親族へ香典返しを贈る場合も同様に、忌明けを目安に手配するとよいでしょう。
ただし、忌明けの時期は宗教によって異なり、地域や親族間のルールによっては葬儀当日にお返しするケースがあります。
当日返しの場合は、いただいた香典の金額がわからないため、葬儀では一律の金額の香典返しをお渡しします。
また、忌明け後に弔問等で香典をいただいたら、届いてから1週間〜1ヶ月以内にお返しするのが一般的です。
香典返しの相場と親族の場合の金額目安
香典返しの相場は、いただいた香典の半額〜3分の1程度が目安ですが、親族の場合いただく金額が大きいため、お返しも高くなりやすいです。
参考までに一般的に親戚からいただく香典の相場は、下記の通りです。
関係性 | 香典の金額相場 |
---|---|
両親・義両親 | 5万~10万 |
兄弟・姉妹 | 3万~5万 |
祖父母 | 1万~5万円 |
甥、姪 | 1万~3万円 |
おば、おじ | 1万~3万円 |
従兄弟 | 3千円~3万円 |
その他 | 3千円~3万円 |
当日返しの場合は、いただく香典の金額が把握できないため、一律の金額で用意します。
いただいた香典の金額が高額で、当日返しした香典返しでは不足していた場合は、半返しに見合う品を忌明け後に贈ります。
また、香典返しはあくまでも香典に対するお返しのため、供花やお供え物の金額は含めません。
香典に対する感謝の気持ちとして、香典返しを贈りましょう。
親族へ贈る香典返しに適した品物の選び方
一般的に、香典返しで贈る品物は、海苔やお茶、タオルなど使ったら消える”消え物”が定番です。
親族へ贈る香典返しの品物は、お相手の家族構成や好みに合わせた食べ物や飲み物などを贈るとよいでしょう。
ただし、お相手の好みであっても香典返しにはふさわしくない品物もあります。
- ・肉・魚などの生鮮食品
- ・慶事に使う品物(昆布・酒・鶴や亀など縁起物)
- ・現金・金券
不祝儀である香典返しには、殺生を連想させる生鮮食品や縁起物はタブーとされています。
お相手の好みがわからない場合は、海苔やお茶、タオルなど香典返しの定番である品物や好きなものを選んで貰えるカタログギフトを選ぶとよいでしょう。
特にカタログギフトは、グルメやブランド洋菓子、日用品、旅行など、さまざまな商品が選べるため、非常に人気です。
香典返しの品物選びに悩んだら、こちらの記事も参考にしてみてください。
親族への香典返しに使うのし紙と表書きの書き方
親族へ贈る香典返しには、一般的な仏事と同じ「黒白結び切り」ののし紙を使用します。
宗教や地域によっては「黄白結び切り」の水引を使用するケースもあるため、事前に葬儀社や親戚の方へ確認しておきましょう。
のし紙へ記載する表書きも宗派や地域によって異なります。表書きは一般的に「志」を使用するケースが多いですが、関西では「満中陰志」と記載する場合も。使用するのし紙と合わせて、表書きについても確認しておくのがおすすめです。
のし紙や表書きの書き方については、こちらの記事で詳しく解説しています。宗派別の表書きの書き方もまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
親族へ香典返しを贈らないときのマナー
親族へ香典返しを贈らないときでも、無事に四十九日法要を終えたことを伝える挨拶状を贈ります。
挨拶状は香典返しを贈る時期と同じく、忌明けに贈ります。
香典返しを贈らないときも挨拶状が必要
香典返しを贈らない場合でも、無事に四十九日法要を終えたことを伝える挨拶状は贈るのがマナーです。
挨拶状には香典への感謝の気持ちと、いただいた香典の使途を報告するとよいでしょう。
故人の意思で福祉施設などに寄付した場合は、どこにどのような趣旨で寄付をしたのか明記しておくと故人の人柄が感じられるでしょう。
香典返しを贈らないときの挨拶状・メールの書き方
親族との関係性によっては、普段からメールやLINEでやりとりされている方も多いのではないでしょうか。
香典返しを贈らないときは、本来は対面や電話、挨拶状などでお礼を伝えるのが一般的です。
しかし、普段からメールやLINEでやりとりしている親しい親族の場合は、メールで伝えてもよいとされています。
香典のお礼を挨拶状やメールで伝える場合は、下記の点に注意が必要です。
- ・挨拶状は1枚にまとめる
- ・忌み言葉を使用しない
- ・句読点を使用しない
- ・時候の挨拶は入れない
- ・親しい相手でも敬語表現を使用する
香典返しを贈らないときに贈る挨拶状・メールの例文は、こちらの記事でも解説していますので、ぜひ参考になさってください。
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